運動器体外衝撃波治療(ESWT)は、低出力の衝撃波を皮膚から患部に照射することで、痛みや炎症を和らげ、組織の治癒を促進する治療法です。
近年、スポーツ障害や慢性的な痛みなど、運動器疾患に対する治療法として注目されています。
体外衝撃波治療の特徴
- 非侵襲的な治療法: 手術などの切開を必要とせず、体への負担が少なく、外来での治療が可能です。
- 幅広い疾患に適用可能: 腱炎、腱付着炎、骨挫傷、五十肩、足底腱膜炎、変形性膝関節症など、運動器の様々な疾患に効果が期待できます。
- 再発予防効果: 組織の治癒を促進することで、再発予防効果も期待できます。
体外衝撃波治療の効果
- 痛みの緩和: 衝撃波によって、痛みを感じる神経終末を刺激し、痛みを和らげます。
- 炎症の抑制: 血流を改善し、炎症物質の除去を促進することで、炎症を抑制します。
- 組織の治癒促進: 細胞の活性化を促進し、組織の修復を促進します。
体外衝撃波治療の流れ
- 診察: 医師が問診や視診、触診を行い、病状を診断します。
- 照射部位の特定: 超音波エコーなどにより、照射部位を特定します。
- 照射: ジェルを塗布した患部に、衝撃波を照射します。
- 経過観察: 照射後、経過観察を行います。
体外衝撃波治療の副作用
- 痛み: 照射中に痛みを感じる場合があります。
- 赤み: 照射部位が赤くなることがあります。
- 腫れ: 照射部位が腫れることがあります。
- 皮下出血: 照射部位に皮下出血を起こすことがあります。
体外衝撃波治療を受けられる方
- 運動器疾患による痛みや炎症がある方
- 手術や薬物療法で効果が得られなかった方
- 非侵襲的な治療法を求めている方
体外衝撃波治療を受けられない方
- 妊娠中の方
- 悪性腫瘍のある方
- 重度の糖尿病や血液凝固障害のある方
- ペースメーカーを植込んでいる方
体外衝撃波治療の費用
健康保険が適用される場合と、されない場合があります。
詳しくは、医療機関にお問い合わせください。
対象疾患について
国内適応疾患<保険診療の対象になるもの>
難治性の足底腱膜炎
治療の流れ
STEP
セッティング(照射部位により体位が異なります。)
STEP
圧痛点、または超音波エコーにて照射部位を特定します。
STEP
低レベルの照射から開始し、徐々に反応を見ながら出力調整をします。
STEP
目的とするショット数に達したら終了します。
治療時間
約10~15分ほどです。
一定期間をおき、複数回の治療を行うことで十分な効果が期待できます。
※インターバル期間の設定は1〜2週間を目安とします。
1週間に1回照射より開始。それを3週間続けます。(合計3回の照射を目安)
治療中は痛みの範囲で調整しながら出力を上げて行きます。
※低強度の照射で耐えられない方は、治療の中断となる場合もございますのでご了承下さい。
治療内容のポイント
- 照射後に傷跡などは残りません。
- 痛みに対しての麻酔は不要です。
- 治療後は歩いて帰宅が可能です。
- 治療後は運動可能です
※照射直後の除痛効果が高く、順を追った組織修復の過程を踏まえて1週間程度の過剰な運動は控えてください。
また、その後の運動量や負荷量の設定などは医師にご相談下さい。